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ジャズギタリスト、ローリングストーンズを語る!の巻 [音楽雑感]



おはようございます。感動も熱いうちにってことで…。


3/6(木)、またまた東京ドームに行ってまいりました。


昨年のポールマッカートニーに続く音楽ビッグイベントは…

The Rolling Stones !!



ステージ遠いぜ!!
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●布川少年とローリングストーンズ

僕にとって、このバンドは非常に強い思い入れのあるロックバンドです。ロック小僧だった中学2年生の頃、最初に行くはずだったロックコンサートがローリングストーンズでした。チケットを手に入れるために友達数人で渋谷東急本店前に徹夜するつもりで並んだ。でも中2でそれはまずいだろうという指導が入って、確か友人のお姉さんが代わりに並んでくれてチケットをゲットしたんですね。

で、ミックジャガーの麻薬による逮捕歴とかで来日は中止となったわけです。

そのニュースとどっちが先かは記憶してないけど、映画「ギミーシェルター」は僕にとって、最高のロック映画でした。2回続けて観た(たぶん1人で)。僕にとって、ストーンズのベストはあの時代、1960年代終盤から70年代中盤です。Jumpin' Jack Flash, Honky Tonk Woman, Street Fighting Man, Sympathy For The Devil, Brown Sugar, Midnight Rambler, Live With Me, Gimme Shelter, You Can't Always Get What You Want, Wild Horses Tumblin' Dice ……。かっこいい曲目白押し!

アルバムで言ったら、「Beggar's Bunquet」「Let It Bleed」「Sticky Fingers」「Exile On Main Street」のあたり。そして、これらのスタジオ盤よりも何よりも「Get Yer Ya-Ya's Out」というライブ盤がとんでもなかった。ビートルズと比較されることは多かったけど、ストーンズはとにかくライブですね。チャーリーワッツとキースリチャーズによるグルーヴがバンドサウンドの根幹を作り出すわけです。

もちろんそのメチャかっこいいサウンドは憧れだったけど、一方存在としてのかっこよさがまた最高だった。僕のガキの頃の目標はキースリチャーズ!バンドの写真とかだと大体端っこの方であさっての方向向いてたりする(笑)。髪の毛を立たせてストライプのパンタロンとかね。結構マネしました。僕の中学生の頃の憧れは1にキース、2、3、はなくて4にクラプトン、5にジョージハリスンってなくらい好きでしたね。

その最も好きな時代のもう1人のギタリストがミックテイラー。彼は確かギターはじめて4年くらいでストーンズに加入した。羨まし過ぎる(笑)!これが上手いのよ。まあ、クラプトンタイプの端正なブルースロックなんだけど。ちょっとチョーキングの仕方とかマネしたりしました。

で、今回はそのミックテイラーがゲストで来るって言うじゃない!かなり期待してました。


パラレルワールドの布川少年…。
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●ジャズギタリストが見るストーンズサウンド

ブルース好きな英国人ロックミュージシャン多々あれど、リフのキャッチーさ、ロックンロールのグルーヴの深さ、これだけタレントが揃っていて「ロックの持つ存在としてのかっこよさ」を物語化し、長きに渡ってグループとして機能させてる、という意味では世界No1.のグループだと思います。本当に好きなグループだったから伝記とかキース自伝とかも読んだけど、サウンドを作っているのはキースとチャーリーワッツみたい。そこにあり得なく変てこで強力、唯一無二のミックジャガーというスーパータレントパフォーマーがいるってところなんじゃないかな。ミックの歌ってとにかく一瞬でわかる。うまいとかヘタとかはよくわかんない(笑)。そこらへんはボブディランと双璧でしょう。

サウンドのポイントはグルーヴと2ギターサウンドの妙。ストーンズサウンドってマネしようとしてもなかなかそれっぽくならない。まず、ギターのチューニングが重要。曲ごとに色々ギター使い分けてるよね。オープンチューニングとかでリフの重厚感とかが変わるんだな。だから普通のチューニングでやっても感じが出ないことが多いわけ。僕はストーンズみたいのをやろうと思ったことはさすがにないけど、試しにオープンチューニングや5弦ギターでストーンズのリフ弾いたら、一挙にあのサウンドの気分になってやたら快感なんだよね…。音がはっきり出ていないときのブラッシングのサウンド自体が何かいいわけ。まあ、中学の頃はそんなこと知らなかったからノーマルチューニングでコピーしてたけど。あと、もう一人のギタリストがキースをたてることが何と言っても重要(笑)。キースありきでサウンドができるから、そこにうまく邪魔しないように行くっていうかね。僕の好きだったミックテイラーなんてやっぱりソロイストっぽいから、結構キースにインタビューでぼろかす言われてた(笑)。

●大人になった布川少年とローリングストーンズ

中学のときチケットを買ったのに行けなかったストーンズのコンサート。彼らを観たいという念願はその17年後、1990年(VALISファーストレコーディングの年)に叶いました。東京ドーム。実はそのコンサート直前に食あたりしちゃって体調最悪。でも這ってでも行くぞっ!的な気合いで、飲まず食わずで観に行った。もちろん大感動!それ以来今回の公演含めて4、5回は観てます。いまでももちろん全然好き(笑)。レイトショーの映画で観たスコセッシ監督の「Shine A Light」も興奮したな。映画館だからガンガン酒飲みながらね。あの映画のバディーガイはあまりに圧倒的。1音で持って行っちゃう。クリスチーナアギレラとミックで歌う「Live With Me」もメチャかっちょいい。

ところで、ジャズギタリストとして知られているワタクシですが、ストーンズ関連のことを書いて顰蹙買ったことがあります。ジャズライフの連載していた30代の頃。あの頃、僕はいまより全然突っ張ってて調子こいてた。好みも偏っていて、ジムホールとジミーレイニー以外のたいていの白人モダンジャズギタリストとか好きじゃないし、まったく興味なかった。で、「モダンジャズギターなんてたいてい面白くない。バーニーケッセルとか聴くくらいならキースリチャーズとか聴いた方がいい」とか書いちゃったんだな(若気の至りでかなり爆)。何か発言がロッカー的な気もするけどさ(笑)。「こんな奴にジャズギター連載とかやらせるな。もっと勉強しろ!」的なお叱りを各方面から受けました(苦笑)。

でもいまでも好み的には変わってないかもしれない。キースのギターには、根源的なかっこよさ(身体性の野蛮さを内包している感じ)を感じるわけです。ジャズ演奏でもそういうことは僕はすごく大事だと思ってるわけ。ジョンスコとかマイルスとかハービーとかそういうのを感じるわけですよ。偉いとか立派とかじゃなくてかっこいい!ってこと。僕の場合、それはやっぱりブルースに辿り着く。


まあ、ちょっと語っちゃったけど、そんなわけで、今回のコンサートも非常に楽しみにしてました。妖怪みたいになっちゃったキースはどうかなあ…ってね。


おっさんも気持ちは中学生!
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●2014年3月6日 東京ドーム

今回もポールのときと同様、双眼鏡がないとほとんどリアルには見えない2階席。でも、たまたまバルコニー貴賓席で椅子が柔らかくて楽だった。飲み物を置くテーブルもあるからワインやらビールやら買い込んで。

暗転だ。突然にキースのリフから始まることは間違いない。事前情報見たくなかったんだけど、やっぱり知っちゃった。Start Me Upらしい。まあ定番スタートか、と思っていたら……


Jumpin' Jack Flash !!

思わず「おーーーー!」いきなりですか。

それから約2時間弱。ミックはあり得ない驚愕の爺(ジジイ)だった。歌い方、動き、世界一ガイキチで変な爺だよ、あれは…。で、やっぱりストーンズに僕は「かっこよさの定義」みたいなのを見た。痺れますよ。最高だったのは Midnight Rambler。双眼鏡越しにあまりのかっこよさに泣けた。ミックの独壇場。歌舞伎の見栄を切るみたいな存在感。このかっこよさに憧れて僕は音楽始めた。そして、キースとチャーリー。バンドのグルーヴがとにかく最高!

今回の選曲は、僕の最も好きな時代のブルージーでキャッチーなリフのロックンロールサウンドだった。一時期みたいな派手なステージ演出もないし、基本彼らの音楽をシンプルに演奏したライブだったと思う。音楽的にはすごくよかった。

とにかく……、


脱帽です。ポールのとはまた方向性が違う大感動!

ミックジャガーみたいな爺見てたら、まだまだ自分もあと15年はガンバらにゃあと思いつつ…

ロックンロールとR&Bとギターのある世界に生まれてよかった…


と心底思えた一夜でした。



●ただ最後に敢えて一言

音響はイマイチ。ポールのときが良過ぎたからね。でもすぐどうでもよくなったけどね。

ミックテイラーの出番なさ過ぎ。せっかくゲストで呼んだんだから、もっと大々的なソロがあってもよかった。Sympathy For The DevilとかGimme Shelterとか参加させればよかったのに…。

ホタイ(とミックが発音…笑)さんのことはあんまり知らないし、まーノーコメントで。どういう経緯と真相だったんだろう。ただ、たぶんファンはかぶらないと思うなあ…。

ポールみたいに長時間やれとは言わないけど(大体ミックが走りまくりだからね…)、あと30分くらい、せめてもう1回アンコールとかあってもよかったなあ。あのサウンド全体の流れだったらLive With Meはやって欲しかった。他にも Let's Spend The Night Togetherあたりもいいし、Angieも最終日はやらなかったしね。

遠くからでよく見えなかったけど、キースもロニーもタバコ吸ってなかったような…。以前はもう寸暇を惜しんでタバコ吸ってた(例えばギターソロ終わったとたんとか…笑)。ミックが嫌がってるのかな…。こんなブログ記事にもビックリしました。



13kmランニング+α とな!!


It's Only Rockn' Roll。まだまだ転がってください。

てなわけで…、

門外漢ジャズギタリストがローリングストーンズを語る、の巻でした。

最後にオススメCDです。


Get Yer Ya-Ya's Out! Rolling Stones in Concert

Get Yer Ya-Ya's Out! Rolling Stones in Concert

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Abkco
  • 発売日: 2013/04/02
  • メディア: CD


Sticky Fingers (Reis)

Sticky Fingers (Reis)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal
  • 発売日: 2009/04/30
  • メディア: CD




メイン・ストリートのならず者(紙ジャケット仕様)

メイン・ストリートのならず者(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: USMジャパン
  • 発売日: 2013/09/25
  • メディア: CD




Beggars Banquet

Beggars Banquet

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Abkco
  • 発売日: 2002/08/27
  • メディア: CD




Let It Bleed

Let It Bleed

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Abkco
  • 発売日: 2002/08/27
  • メディア: CD

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コメント 2

みみこ

私も同じ日に行きました。
ミック・テイラーとのセッションが楽しみだったのに、布袋が出てきたせいで・・。
ニワカファンは喜んでた様ですね。
周りのストーンズファンは怒ってましたけど。
もう来日しないんですかね。
ドームではなく、小さなクラブでやってくれたらなぁ。
by みみこ (2018-06-06 20:54) 

ぬのさん

みみこさん、コメントどうもありがとうございます。

4年前の記事なのに、何かであたったのでしょうか?何にしても、あれは会場ポカーンって感じの一瞬でしたよね?

あと来るとしたら1回来るかなあ…。
by ぬのさん (2018-06-06 22:01) 

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