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ミッキーさんのこと [音楽雑感]

 

昨夜、ミッキーカーチスさんの喜寿バースデイライブにお邪魔しました。

 

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今回は、僕の音楽界で仕事を始めるときの大恩人、尊敬するミッキーさんのことを書いてみようと思う。


ことあるごとに書いているが、僕の最初の音楽家としての仕事はミッキーカーチスさんのお仕事だった。勉強が好きで大学5年めだったから1981年夏。23歳になったあたりかな。


僕はその頃は大学界のジャズコンテスト荒らしみたいな感じで、確か5つくらい優勝したんだけど、プロになろうと思って学外の連中とバンドを組んでいた。そのうちの一人が僕より早く色々仕事していて、ミッキーさんの仕事を取って来た。ミッキーさんは、もちろん僕の母親の時代のアイドルの草分けロカビリー大スター。まだ大学生で、最初の仕事としてはあまりにラッキーな話だ。当時のミッキーさんはアルファレコードだったっけな、プロデューサーとかやってて、何か若い連中とまたバンドやりたいってノリだった。僕らはジャズとか中心にやってる連中だったから、はっきり言ってロカビリーとか全然できなかった。でも、ミッキーさんはそういうのを温かい目で見てくれて逆に面白がってくれたんだな。


当時、六本木にバレンタインっていう店がオープンするんで、ミッキーさんが週1くらいで出ることになって、ミッキーカーチス&アバンティーってバンドにしてロカビリーをアレンジしてやったり、ジャズもやったりっていう感じだった。忘れられないのは、最初の仕事とそのリハーサル。渋谷山手通り沿いのフラッシュスタジオだったと思うけど、リハーサルで Long Tall Sallyとかロックンロールの曲になると、リハでもミッキーさんはアンプの上に立ち上がって歌っちゃう。モノホンとはこういうもんかと思った(笑)。


本番は当然もっと盛り上がりなんだけど、六本木のアメリカンクラブのパーティーだった。何とギャラ40分でF万!景気のいい当時でも学生には破格だった。帰りにバンドメンツで「これで僕たちも大丈夫だね」ってビヤホール行って盛り上がった(相当甘かったが…苦笑)。


それから、週1バレンタインの仕事に加えて、懐メロコンサート、平尾雅晃さん、山下敬二郎さんとミッキーさんのロカビリー三人男の仕事はよくやった。だから僕が子供時代のスターの方とか、グループサウンズ系の方々とはよく会ったり伴奏もした。最初に行ったタビも忘れられない。京都ベラミ。僕が知っていたのは田岡組長が撃たれた場所ってことだけだ(笑)。実に芸能界の一端を垣間みた感じだった。


そういう仕事を始めて新たに練習はしたなあ。大体、大学時代はジャズとフュージョンばっかりやってたから。でも、僕にもこだわりみたいのがあって、ロカビリーギターみたいのはやる気にならなかった。好きとかキライとかじゃなくて、ああいうペケペケしたサウンドみたいのが自分の感覚にないから弾けない。僕はブルースロックかロックンロールみたいにやろうと思って、それこそ中学の頃大好きだったクラプトンやキースリチャーズあたりをもう1回ちゃんとコピーした。そういうのは大好きだったけど、高校大学時代はまともに練習しなかったからね。


ホントはそういうサウンドじゃ、典型的ロカビリーサウンドにはまったくならないけど、ミッキーさんは完全に「自由な」人だから、そういうのは許してくれた。若いのがテキトーやるのを楽しんでくれたのかもしれない。


ミッキーさんは知れば知るほど面白い御方だった。音楽はもちろん、バイク、映画、落語、超常現象、外国語、ナオ…(爆)、ぶっ飛ぶ魔法(超爆)、色々なことに造詣が深い。話の面白さはすさまじかった。タビのホテルとかでそういう話は最高に楽しかったし、色々教えてくれた(とてもここには書けない)。それにファッション含めてとにかくカッコいい!


僕はそんなに怒られたことはないけど、怒ると怖かった。秋田だったかな、昼夜2回公演の仕事で、最初のサウンドチェックで、音響オペレーターがかなりイマイチで、ミッキーさんに「もう少し声上げられませんか(下げられませんか、だったかも)」というあり得ない要望が出たことがあった。アチャーと思ったら、一瞬でミッキーさん「オレの顔にヴォリュームついてないんだけど」とか言ってスタスタと会場から出て行っちゃった(笑)。とにかく落語家だし切り返しは凄まじく速い。で、昼の仕事はなくなっちゃってバンドは楽したんですけど。あれ、よかったのかなあ…(笑)。


僕は20代前半、ミッキーさんのバンドから始まったことがホントにラッキーだったし、とても感謝している。彼は真の自由人で、好き勝手面白いことをかっこよくやろうとしてる人だから、僕等若者にも好き勝手やらしてくれた。だから、昔っぽい芸能の場に言ってもミッキーさんだけはちょっと違った雰囲気があった。「この曲はこんな風に弾け」とか言われたことはまったく記憶にない。とにかく、僕もミッキーさんを尊敬していたし、バンドや音楽を面白くやろうと考えていたわけだ。それは、その後の僕の音楽活動の基本になったと思っている。


そんな、ミッキーさんともFBやツイッターでの交流はあったが、会うのはたぶん20数年ぶり。自叙伝発売のときも仕事で行けなかった(最高に面白い本です)。不義理で申し訳なかったのだが、喜寿のお祝いでようやくお会いすることができた。昨夜は、いきなりミッキーさんとデュオで「The Things We Did Last Summer」。フランクシナトラとか聞いたことあるけど、やったことない曲。初見でちょい緊張だったけど楽しい時間だったな。


イベントは、加橋かつみさん「花の首飾り」(小学生のとき大好きだった…涙)、ガロの大野さん「学生街の喫茶店」、田辺靖雄九重佑三子さんご夫妻の「Sound Of Silence」アカペラなどの懐かしい曲から、ミスターイクラさんのメチャかっこいいロックンロール、外道の加納秀人さんのブルースギターソロ、Iccou Yagiさんの強力なフラメンコギター、TOKUとミッキーさんの共演 etc……ロックンロール、カントリー、ジャズ、歌謡曲までの超盛り沢山。最後は8人のギタリストが共演の大ブルース大会。やっぱりミッキーさんの幅広い自由な人間性が現れた楽しい会でした。

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ミッキーさん、改めてお誕生日おめでとうございます。最高にゴキゲンでカッコいい77です!是非米寿までガンバっちゃってください(笑)。また是非共演させてくださいね。

 

孫むすめ、ろぼじー、孫むすめのがっこうのせんせー

という貴重なショット!

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おれと戦争と音楽と

おれと戦争と音楽と

  • 作者: ミッキー・カーチス
  • 出版社/メーカー: 亜紀書房
  • 発売日: 2012/01/14
  • メディア: 単行本

 


 

 


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