高校で講演会「人間万事塞翁が馬〜人生はフレキシブルに展開する」 [仕事色々]
人生はフレキシブルに思いもかけぬ展開して行く。言い方によっては、脱線挫折の連続かもしれない。でも逆に言えば、色々な方向性へ予期せず進むこと、それこそがチャレンジになる。予定外のことを嫌がらないで、積極的に楽しんで行くことで、人生の幅は拡がって行って大きくなります。また、いまやっていて無意味と思えるようなことも、後でそれがどう役立つかだってわからない。人生には何が起こるかわからないんです。
例えば、二者択一の何か迷う局面があったとします。人生には重要な分岐点が何回か訪れます。そのときは当然悩んだり、考えますよね。当たり前のことです。でもね、よーく考えたらとにかく決断してあとはぶれないことが大切。2つの選択肢があるときに、どちらの道を選択するのが自分にとってよいかどうかは、基本的にはわかりようがないから、というのが僕の考え方です。どうしてもわからないときは極端に言えばサイコロ投げて決めてもいい!
A, B2つの道があったとして、仮にAの道を選択したとする。それで、その後に「自分は不幸だ」とか「あのときああしておけば」「Bの道にすればよかった」とかよく人間は後悔しますよね。でもこれはね、その分岐点でちゃんと考えて決断したことであれば、後悔すべきものではないのです。なぜならもしBの道に行ったとしても幸福だったとは限らないからです。ひょっとしたらより不幸だったかもしれません。後悔する人はどちらの道へ進んでも後悔するものです。
もっと進めて言えば、どちらが不幸か幸福かって比較自体成り立たないんです。例えば僕が就職した方がよかったか、音楽家になった方がよかったか?ってのはわかりようがないんです。Aの道を選択した途端にBの道は選択しなかったわけだからBの道のことはわかりようがないし、仮にBの道に入れば、その人はBの道に入った精神性を持つ、要するに同じ人間の心の状態ではないと思うからです。だから「後悔する」っていうのは、基本的に「いまの自分に劣等意識を持つ、何か別の状態を羨む」ってことと同義なのです。要するに他人の芝生でわかりようがない。金持ちで聡明、才能もあり、ルックスも良い、誰からみても羨まれるような人だって、人に言えない苦しみを抱えている場合だって多々あるということです。
要するに、自分の行為に潔くなる、そういう心を持つ、それが僕にとっての「人間万事塞翁が馬」であり、それが僕の人間としての目標です。
僕はそういう風に「人間万事塞翁が馬」を捉えています。人生、何がよかったか悪かったかはわからない。もっと積極的に進めて、自分の人生をよいものとしてフレキシブルに受け入れる姿勢。それが、人を羨んだりねたんだりしない人間性を作り出す、未来は確定しているのでなくて、作り出して行くものだ、敗北だって失敗だってトータルに考えれば、その人の人生を作って行くんです。
というようなことを、アドリブ3割増しくらいにして喋りました。僕のエッセイ「ジャズの壁を超える100のアイディア」でも書いた内容ではあるんですが…。
講演終えてアンケート読んで、非常によい反響が多くてホッとしました。
やっぱり、ギター演奏から始めたのがよかった。「ギター演奏に引き込まれた」「美しかった」とかいう感想がたくさんあって嬉しかったな。
ギター使った高校物理実験授業(?…笑)もかなり受けました。ギターのピックアップは電磁誘導右ネジだ!とか、波動の基本方程式、そこから導き出される弦の長さと振動数の関係の説明。そこから整数で分割するポイントでハーモニクスが鳴る!そしてそれを利用して音階を作ったのは、あの「三平方の定理」のピタゴラス!!とか言ったら生徒目を丸くしてました。
ちなみに高校物理を講演前に復習したんですけどね(笑)。
これは、弦のハーモニクスポイントの話をしてるとこ。
そして、もう一つは何と言っても「人間万事塞翁が馬」の解釈。ちょうど古典の授業でやったばかりだったっていうことで、すんなり生徒たちにも入って行ったんでしょう。部活と受験とか、恋と勉強とか悩むお年頃ですからねえ(笑)。
この日の仕事は達成感ありました。帰宅して頂いた花束を肴に美味しいお酒を頂きました。
P.S…写真のワンダーコアスマートは今回の話とは全く関係ありません(シルバーウィークに購入してハマっております…苦笑)。
ジャズの壁を超える100のアイディア (jazz guitar book Presents)
- 作者: 布川俊樹
- 出版社/メーカー: シンコーミュージック・エンタテイメント
- 発売日: 2010/06/02
- メディア: 単行本
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