CD「Blue Journey /和田明 布川俊樹」発売記念ライブツアー日記(後編) [日々のぬのさんのライブ]
●8/23(金)出雲〜山口県防府 Opus
実は38年の音楽人生で山口県でリーダーライブをやるのは初めてでした。仕事や他の人のライブでも来ることは非常に少ない県です。今回は、2007年洗足ジャズコース卒業生で地元FMやまぐちで仕事をしている砂原孝利君に頼んだのでした。彼とはFBで繋がっていて、昨年の僕の還暦記念VALISモーションブルーライブにもわざわざ遠方より来てくれました。そういう人との繋がりが渡世人の基本、山口県でやるのは彼と飲みたかったってのもあります(笑)。
初めての山口県ライブにして、非常に素晴らしいライブとなりました。この地では全く無名のユニットであろうに、お客さんは満員。FMでも僕らのCDをかけてくれたということです。アンコールでは砂原君も演奏に参加。12年ぶりの共演だったのかな。
ライブ終了後は彼のお父様(僕よりちょっとだけ年上)に最高の地元の酒と肴をご馳走になり、懐かしの歌謡曲バーでしこたまロック談義に盛り上がったのでした。
●8/24(土)防府〜広島県福山 Grand soul cafe Guns'
この日もまずは観光でした。午前中から 初 秋吉台!
ここまで来たら行ってみたかったしね。最高のドライブでしたね。
充分過ぎるほどの癒しの時間を経て、大好きな町、福山に向かいます。この日はEncounterと対バンライブ。実はこれは、瓢箪から駒、棚から牡丹餅的な展開で決まった話でした。Blue Journeyの福山ライブを佐藤お茶屋さんと決めてから何と同日にEncounterも福山でライブをすることが判明。堀ちゃん、浜ちゃん、高瀬くん、広瀬くん、皆何度も共演している友人ミュージシャンです。福山で同日に別々の場所でやってもお客さんが割れるだけです。それならば、ミニジャズフェスみたいにして一緒にやっちゃおう、という話になったのです。
ライブはそれぞれが60〜70分。僕らが1st、Encounterが2nd。アンコールは「Blue Journey」に入っているローリングストーンズ「Satisfaction」を全員で。バンドでやったら完全にロックな感じになりましたね。僕らもお客さんも皆が楽しめる素晴らしいジャズイベントになったと思います。浜ちゃんも言ってたけど、お互いにインスパイアされるっていうのもあった。しかしEncounterっていうのはジャズ界の良心と言ってもいい素晴らしいオリジナルバンドだと思いましたね。脱帽です。打ち上げはもちろん佐藤宅で。海の男、ゴルゴ浜ちゃん持参の極上のイシダイを肴にメチャ飲みました。
●8/25(日) 福山〜大阪夕陽ヶ丘カクレンガ
さて、福山の強力な宴を終えていよいよツアーも終盤。佐藤さん広瀬くんDrといつものタイ料理屋で昼メシ。彼らに別れを告げ、再び関西へ。途中神戸で4日めの忘れ物をゲット(苦笑)。そして3月、弟子の NeaくんとDUOライブをやったカクレンガへ。Neaくんも来てくれました。数えるほどのお客さんでしたが(名古屋に続いて大都市で食らいます…苦笑)、もちろん全力の楽しい演奏となりました。
●8/26(月)大阪〜金沢もっきりや
いざ北陸へ。金沢は気分上がりますね。着いたら月曜だというのにすごい観光客の数。ライブには何回か来ている「矢堀道場」の生徒などが来てくれました。このお店の「木の鳴り」はいつ来てもやりやすいです。マスター平賀さん、いつもお世話になってます。終わってからは近くのバーでかなりの飲み。
●8/27(火)金沢~福井ウクレレクラスタ楽音
ついにツアーも11本め、最終日です。昼は金沢駅前の豪華な回転寿司。ライブ最終日に向けて気合を入れて色々頂きました(笑)。最後は僕にとって馴染みの場所、福井です。VALIS解散時のローディーでいまや北陸ウクレレVIPの岩佐高征くんがいる町。5月末VALIS Quattro は駅前ライブだったけど、今回は彼のホームグラウンドのウクレレカフェ。考えてみて、ツアー初日がVALISファースト時のローディー猿ちゃん、最後が岩佐くんのところだったんだよなあ。2人は非常に対照的なローディーでした(最近、岩佐くんも大和さんのクエストとかで楽器買ってたりして2人は仲良くやってるようです…笑)。
ライブは岩佐くんのウクレレクラスタ美女軍団の応援もあって(笑)、最終日は盛り上がりました。アンコールは彼も加わって「Fly Me To The Moon」。そして打ち上げは大好きなお店「忍者」へ。
●8/28(水)福井~川崎市自宅
ついに12日め最終日。二日酔い気味で急に抜け殻、あるいは屍のようです(笑)。昨夜は飲んだなあ。
明は福井駅で降ろして(彼は別仕事で早く帰らないといけないのでした)、僕はゆっくり1人で帰りました。途中何度もSAで仮眠取りましたね。還暦越えの渡世人は大変っすよ(苦笑)。
そして夜10時頃自宅到着。トータル3,300km全運転 ミッションコンプリート!還暦リセット1歳、我ながらよくやったと思います。ジャズ渡世人が日々行うことは、起床→移動→演奏→飲み→就寝、基本これだけ(笑)。毎日繰り返しなのですが、自宅に帰るといつも独特の達成感、安堵感があります。とにかくタビは楽しい。
ただ一方で、今後ジャズを仕事にすることの大変さもひしひしと実感します。ツアーでの動員は僕くらいのミュージシャンだと多くて1日50人。数人レベルの場所もいくつか。そうなるとその日だけを取ってみれば赤字もあり得ます。また、若者のお客さんがほとんどいない。20代の人は数えるほど。ジャムセッションならそういう若い人も来るから、要は「ジャズをやる人」はいるけど「ジャズを聴く人」が減っている(まあ、僕のライブだけの例かもしれませんが。だとしたら、それはそれで悲しい…苦笑)。
これは正直凹みます。日本のジャズに未来のお客さんはいるのか?僕らの時代を支えてくれたのは、例えば団塊世代。この方々はいま70歳以上。あと何年ジャズライブに来て頂けるのか。5,10年後は一体どうなってるんでしょう…。
まあいいっか。知恵絞ってやるしかないっすな(笑)。とにかく、各地でお世話になった皆さま、ご来場のお客さま、この場を借りて心から御礼申し上げます。どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。