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意志あるフレージング [音楽雑感]

 

皆さん、おはようございます。秋の連休、好天に恵まれまさに行楽日和です。僕は今日から沼津、水戸、新潟県三条3連チャンのFoundツアー、ガンバって行こう!昨日のヴォーカリストイベントライブの件と合わせてまた報告しますね。

 

さて、軽い気持ちで Facebookに投稿したら、やけに反響があったので、ブログに若干手直ししてまとめておきます。非常にジャズ練習者にとっては重要な内容だと思うので。題もつけてみました。

 

 

「意志あるフレージング」

 

 

 大学で「ジャズフレージング入門」の授業をやってて感じたことを備忘録として書いておこう。

 

ジャズ初心者学生のプレイを聴いていると、自分のプレイしている音がアタマの中でイメージできているのか相当疑問に感じてしまう。イメージしている、というのは曖昧だな。ちゃんと歌えているかということだ。

 

以前、僕が持っていた英会話教材に、短いセンテンスからどんどん言葉を足して行って長い文章を一気に言えるようになる、みたいなやり方を取っている本があった。

 

言葉だったら、ジャズ初心者だって言えると思う。

 

1、僕はジャズフレージングを練習している。

 

2、僕はジャズフレージングを毎日練習している。

 

3、僕はジャズフレージングを毎日一所懸命練習している。

 

4、僕はジャズフレージングを毎日一所懸命練習しているがなかなかうまくならない。

 

5、僕はジャズフレージングを毎日一所懸命に練習しているがなかなかうまくならなくて少々凹んでいる。

 

6、僕はジャズフレージングを毎日一所懸命に練習しているがなかなかうまくならなくて少々凹んでいたら布川先生が優しく教えてくれた。

 

 

 

これ、どこまで覚えられるだろうか?日本語ネイティブなら4つめまではまず大丈夫だろうと予想する(だよね?笑)。

 

最後の文章は長過ぎで酷く下手くそな文章だが、覚えられる人もいるだろう。

 

これとインプロヴィゼーションのフレージングも似たようなものなのだ。何か1小節のフレージングを歌う。同じものをもう1回歌う。それを弾く。これを繰り返せばいいのだ。僕は今日学生に「僕はたとえば4小節くらいのフレージングは丸々覚えられる」と言って、ためしにそれくらいの長さのフレージングをアドリブで歌った後に、同じフレージングを弾いてみせた。できるかわからなかったけど(笑)、やってみたらやっぱりできた。

 

歌うというのは正確な音程で歌う必要はない。何となくリズムだけでも高低感や跳躍をドゥダダー、とかタッタラーみたいに歌うのでもよい。

 

とにかく頭の中でフレージングの塊を感じること、これこそが、「フレージングを即興で思いつく」ということなのだと僕は考える。

 

 

 

では、何故僕は4小節くらいの(テンポ速かったらもっと覚えられると思う)自分の弾こうとするフレージングを覚えられるのか?

 

でもね、プロの人だったら1コーラスくらい覚えられる人もいるだろう。モーツアルトだったら

 

ってのはおいといて

 

 

 

これはジャズ練習期にしたたくさんのコピーがあるからなのだ。それだけは間違いない!

 

ジャズのソロのコピーは高校2年生から始めた。ウェスモンゴメリーに始まり、ジムホール、香津美さん、ジョージベンソン、大学入ってからはフュージョンギタリスト色々、パットマルティーノ、秋山さん、笹路さんなどジャズ研諸先輩、ハンコック、ブレッカー、ショーター、コルトレーン、ウィントンケリー、貞夫さんとか他楽器も1曲くらいはやった。かっこいいフレーズをちょいコピーするんだったらもっと覚えてないくらいたくさんやってる。それで4年生の頃ジョンスコ大師匠に出会うことになる。

 

コピーっていうのは高校生の頃は全然できなかった。マイルスのバグスグルーヴのソロだってよくわかんないくらいだった。だからカセットを1音1音止めて音取ったりする。でも1年くらいガンバってやったら1小節くらいのフレーズとして捉えられるようになった。

 

要はコピーは、パッと1小節くらいのフレージングをハミングしたりしてそれを楽器で弾いて確認するって行為なんだな。

 

これ、科学的な根拠はないけど、言葉を覚える過程と似た様なものでは、と想像する。言葉を覚えるってのは、パパとかママとかうま!とかワンワンとかゴードンとかでんしゃとかぶーぶとかどきんちゃんとか聴いてそれを反復してるわけだよね。

 

それと同様に、コピーすることを多量にやることによってジャズ語をネイティブ化して行くのだ。

 

で、大学時代も上級生になる頃には、ジョンスコとかは無理だけど、ケニーバレルやグラントグリーンみたいなモダンジャズだったら楽器なしでもコピーできるようになって、練習のために楽器なしでコピーとかやってた。

 

何か、コピーとかあまりしていない人が学生とか見てると多い気がするんだな(もちろん例外はいるけどね)。

 

でもね、例えば、ミーレラファミレってメロディーを聴いてすぐ弾けないプロのジャズミュージシャンは僕のまわりにはまずいないと思うんだよね。これは「こんにちは」みたいな話なの。

 

今日、僕が誰かに学校で会って挨拶するとする。

 

「おはよー、コンディミの中のトライアドは4つだよ。昨日はカレー食べたしね。」みたいなプレイをしてたらイカンということなのだ。

 

ジャズのフレージングも言葉と同様、意味の流れがある、だから覚えられるわけです。

 

 

 

 

最後にジャズ練習者(僕もだが)の皆さんに、もうひとつだけ付け加えよう。

 

何かパッと1、2小節のフレーズ(というかメロディーと考えてもよい)を弾いてみて欲しい。弾いたら、それをすぐもう1回繰り返して弾いてみよう。

 

それができなければ、「フレージングへの意志」のないプレイをしているということだと僕は思っている。

 

 

 

長文お読み頂きどうもありがとうございました。Q&Aブログ的な内容でしたが、ジャズを学ぶ皆さんの参考になれば嬉しいです。

 

 

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