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天空の滝を偲んで [日々のぬのさんのライブ]



こんにちは。10月もそろそろ終わります。今月は自分仕切りの重要なライブが目白押しでした。


そのひとつ、10/19(土)奥沢リトルジャイアントで行われたライブの報告をしましょう。元々ジャズ研 Facebookページに投稿したかなり内輪な内容ですが、僕にとって重要なイベントだったので、ブログ記事として残しておくことにしました。

 

 

Dr.滝澤謙治追悼スペシャルライブ

布川俊樹 Produce Dr.滝澤謙治トリビュートバンド

 

登場人物


布川俊樹(g

伊地知晋平(ts,ss)東工大ジャズ研10年くらい後輩

後閑武彦(p)滝澤さんと昭和医大同期の盟友

橘高義典(p)東工大ジャズ研1年先輩

佐々木建志(b)滝澤さんのお医者さんセッション仲間

中村秀男(b)高校ジャズ研1年後輩、東大ジャズ研

西尾研一(ds)東工大ジャズ研3年後輩

白根真理子(vo)唯一のヴォーカリスト弟子

 

酒井敏博…リトルジャイアントオーナー件エグゼクティブプロデューサー、滝澤さん昭和医大の後輩

渡辺智秋…スタッフチーフ件舞台監督、東工大ジャズ研3年後輩

 

 

僕はこのライブを終えて、もう今年はほとんどヒマです。いよいよ食いっぱぐれるか(笑)!正直、このライブを終えてちょっと脱力してしまいました。このライブ、はっきり言って今年一番気合いの入ったライブでした(いわゆる仕事ではなかったにもかかわらず)。だいたい朝からライブにワクワクしてるなんて30年以上も音楽家やってるとそうあることではありません。西尾くんの名言「生涯ジャズ研」魂を自分にも感じましたね。

 

それは、もちろん「人生の大恩人」滝澤謙治さんに対する強い想いから来ることは間違いありません(以下は3/3に書いた追悼記事)。

 

http://nunosan.blog.so-net.ne.jp/2013-03-03

 

 

さて、それではこのエポックメイキングな日をドキュメント風に書いてみましょう。

 

朝起きて朝練。VSOPライブインUSAに合わせて練習。オーケー、バッチリだぜい。僕の大学生時代の練習って基本CD(当時はレコード)に合わせて練習することでした。これが、いま考えるとよかった。インプロヴィゼーションの勘を養うんですね。久々にやると楽しいなあ。しかし、このCDかっこよ過ぎ!すでに布川かなりメーター上がってます。

 

自宅レッスン2人やってから奥沢へ向かいます。かなりワクワク(笑)。大学生時代は奥沢行くのも大岡山行くのも乗り換え多くて面倒くさかったけど、いまは南武線武蔵小杉から直通です。

 

さて、リトルジャイアント到着。西尾くんはすでにドラムセットを入念に磨いておりました(ウソ)。彼は今日は大役ですね。天国の滝澤さんのトラ!!

 

さて、皆集まって来てリハスタート。今月アタマに4時間リハやったけど、今日もちゃんとやりました。流石皆意気込みが違います。バッチリー!

 

弟子の真理ちゃん到着。おっさん連中は難曲の数々で早くもお疲れさんです。景気付けってことでシャンパンで乾杯(あえて献杯は避けました)。ささっと歌もののリハを終えて、お店オープン。

 

超懐かしいメンツが揃い始めました。東工大ジャズ研関連は、上田、久保田、本多、阿部、辻(敬称略)。ここらへんはたまに会ってるしさほど珍しくない。嬉しかったのは、足立茂さん。橘高さんと同学年です。僕は入学してすぐに橘高さんのバンドに入ってハンコックのフレーズ研究したり、あと大先輩の慶応ジャズ研笹路さんのコピーをあーだこーだやってたんですね。とにかくあの頃は時代的にも目指せVSOP、ハンコックサウンドでした。そのバンドのドラマーが足立さん。すごく綺麗なドラムを叩いていた印象があります。でも一緒に音楽というよりとにかくマージャンでしたね(笑)。嬉しかったな。ほぼ30年ぶり。それよりもっと驚いたのは、急に何かイケメンな結構若い感じの好青年オヤジが現れた。某テレビ局勤務小林成年(しげとしだけどせいねんって呼ばれれてた)。僕と同学年のドラマー。彼とは卒業以来1回も会ってない。再会盛り上がりました。これを機にジャズ研関連復帰して欲しいものです。ちなみに、僕の同期でマージャンの宿命のライバル山下君ってのも同じ会社なんだよね(夏合宿の徹マンで朝方に国士無双をあいつからロンカーターしたのは忘れられない。九万単騎だったかな笑)。

 

旧交を温めつつ、いよいよライブスタートの時間に。布川の顔に緊張感が走る。と言いつつワインを結構飲んでいる(笑)。

 

1曲めは言わずと知れた「One Of A Kind」。僕が滝澤さんと初めて大学ジャズ研六P定演でやった曲だ。当時は、目指せVSOPだからね。ロンカーターのベースのリフを僕がギターで弾き始めてループに入れてメンバー呼び込み。もちろん皆グレーテスト!!だ。やったー、テーマもビシッと決まった(ってか?)。さて、フレディーじゃなくて布川先発ソロだ。おーっといきなり1コーラスめでロスト(何で?笑)。さーて、大変なことになった。何か色々耳を傾けるけど、誰1人としてよくわかってやってる感じがしない。ハッハッハ、まーいいや。10年に1度の大ロスト。ずーっとどこやってるかわからずテキトー弾いてました。最後は無理矢理テーマ弾いて収束。その後は伊地知後閑とソロを盛り上げます。終了!満場の大拍手。涙涙です。

 

布川、最初のMCは余計なことしゃべり過ぎ。留年時代のしょーもない話とか数学のテストで1問も書けずにお願いを書いた話とか。滝澤さんがいかに恩人であるかを言いたかったんだけど脱線しちゃった。ここでもう1回まとめると、僕は、滝澤さんと後閑さんが僕らのリハのときに現れた3年生(2年生だったかも)のある日に音楽に対する意識がまったく変わった。それを話すつもりだったわけです。

 

要は、僕はそれまではギターが大学生では圧倒的に上手い存在になりたかっただけだった。プロになりたいとも別に思っていなかった。基本のモチベーションは「勝つ」ってことだったわけ。だから演奏は面白いっていうより、いつも「うまく弾けない」という悔しさの繰り返しだった。ただ負けず嫌いだったから、それをバネに猛練習したわけです。

 

で、滝澤さんと初めて演奏したらまったく考えが変わった。音楽って何て楽しいんだ。アドリブだって弾かされる感じ。何弾いてもハマるし、弾かなくてもサウンドしてる。

 

初めてスイング、グルーヴするってことを彼から教わったんですね。その感覚を味わって僕はプロの音楽家になりたいと思うようになった。だから、いま僕があるのは滝澤さんのおかげなんですね。まあ、そんなことをしょーもないことしゃべりながら語った。

 

2曲目、Third Plane !! 何と言う粋な選曲だ(笑)。これは皆リラックスして楽しく演奏。

 

次は伊地知くんのオリジナル「I Think Of You」。伊地知くんは昨年12月まで滝澤さんと一緒に演奏した間柄。滝澤さんの最後の音楽を共にした人です。想いも深いものがあるでしょう。素晴らしい曲でした。前述大学ジャズ研バンドで演奏したショーターの「Infant Eyes を彷彿させる美しい曲でした。後閑さん、こういうときのプレイいいなあ。

 

そして次は僕のオリジナルです。3月にギタートリオでツアーしたときに滝澤さんに捧げる曲を演奏したかった。そのために書き下ろした曲、「天空の滝 The Waterfall In Heaven」です。哀愁のジャズロックって感じの曲なんだけど、これはピアノレスカルテットで演奏。心をこめて演奏しました。

 

ここで、気分を変えて、真理ちゃんの登場です。彼女は僕にとって初めて教えたヴォーカリストの弟子なんだけど、ちょうど滝澤さんがドラムをマジに再開した頃と時期が重なったのね。で、真理ちゃんがライブを始めるようになって、滝澤さんに頼むようになった。滝澤さんもしばらくぶりにジャズを始めたから、色々と僕にアドバイスを求めて来たんですね。だから、僕が僭越ながら、滝澤さんの練習用MDを作ってあげたんです。僕がクリックに合わせて色々なテンポ、色々なリズムで曲を演奏して録音した。それ、滝澤さん、喜んでくれたな。「布川、あれいいよ。あれに合わせて練習してる」とか言ってもらえました。

 

歌ものは酒バラ。何でも、滝澤さんに歌ってって言われて歌ってなかったらしいです。メチャゆっくりなテンポになっちゃった。真理ちゃん、ゴメン。

 

さて、次は豊島園カレッジジャズコンテストのメンバーです。当時の布川俊樹クインテットから橘高さんと中村くんを呼び込みます。もうやっちゃいます。Speak No Evil、そして Samba Song1980年夏の再現。このバンドでコンテストで優勝して滝澤さんは最優秀ソロイスト賞を取ったわけです。これ、この間のリハで橘高さんに懐かしカセット録音をファイルにしたものをもらったんですよねえ。

 

前回の記事です。

 

http://nunosan.blog.so-net.ne.jp/archive/20131016

 

 

このライブの前に智秋くんから提案がありました。そのときの優勝トロフィーあったら持って来てくれないかってね。

 

ゲゲー。不肖布川、大トロフィーは実家を売るときに処分してしまいました(以下がそのときのブログ記事)。すんませーんって思ってたら、何と橘高さんが中トロフィー持ってました。ありがたきはちゃんとした先輩です。まあ、マグロも大トロより中トロってね(笑)。

 

http://nunosan.blog.so-net.ne.jp/2009-01-14

 

「果たしていまの我々にできるのか!!」

 

布川の絶叫とともに始まったSamba Song。あー面白かった。西尾くんには滝澤さんが憑依してたとさ。

 

アンコールは、布川がアコギ無伴奏ソロで「The Nearness Of You」。目の前で観ている奥様の気持ちを想い心を込めて演奏させて頂きました。奥様も色々想いを馳せているように見え、気合いが入りました。

 

ライブ終了後は、ゆかりの人達で歓談しつつ「天空の滝」を偲ぶ映像を見たり色々と語り合いました。

 

滝澤さんのおかげでこんなに人が集まることができました。東工大ジャズ研OB会もリニューアルすることに(笑)。

 

 

最後にこの場を借りて、この企画に賛同協力してくれた全メンバー、スタッフの皆様、そしてライブ御来場の皆様、そして改めて「天空の滝」に心から御礼申し上げます。

 

どうもありがとうございました。

 

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ライブスタート!

 

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オイラ。パッと見メセニー。

 

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 伊地知くんと佐々木さん

 

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橘高さんのプレイ。手前で凝視は後閑さん

 

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中村くん。ぶっ速サンバソングでソロ!

 

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ミッションコンプリート。お疲れさまでした。

 

 


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